世界一ブログ好きな日本人

英語を抜き世界のブログ投稿数の37%を占める日本語ブログ

インターネットの世界でもっとも使われている言語は、現実世界と同様英語であるが、ことブログ投稿数に関しては日本語が英語を上回っているということが明らかになった。

世界で最も多いのは日本語ブログ――Technorati調査(IT Media News)
世界で最もブログを書いているのは日本人のようだ――米ブログ検索サービスTechnoratiが、ブログに関する最新四半期リポートを発表した。同社が現在追跡しているブログの数は7000万以上、全世界で1日当たり12万(1秒当たり1.4)の新しいブログが作成されているという。1日に投稿されるブログエントリ数は約150万件に上る。
(中略)
言語別で見ると、第4四半期に最も多かったのは日本語のブログだった。日本語ブログがブログ全体に占める割合は37%で、前四半期の33%から拡大。シェアを39%から36%に落とした英語ブログを追い抜いた。またトップ10に新たにペルシャ語がランクインした。(後略)


英語のブログが母国語に関係なく世界中から投稿されている中で、単一言語である日本語が一位になっているというのはおもしろい現象である。インターネットの世界、特にブログの世界ならでは現象と言っていいだろう。

なぜ日本人はブログ好きか?

インターネット利用人口に比べ不自然に多い日本のブログ人口の理由をいくつか考えてみた。
①実生活の中では「個」を溜め込み、ネットで発散する日本人気質
「奥ゆかしき日本人」。特に若い世代ではこのような形容詞は死語となりつつある言葉だが、それでもなお日本人は実生活の中ではなるべく自分は出さずに控えめに振舞うことが美徳とされる文化が残っていると言えよう。しかし「個」が尊重される(もてはやされる?)時代にあって、それを発揮したいと願う人間は増えてきている。その場所として選んだのがブログだったのではないか?
②高品質な日本のブログサービス
日本では日本人向けに作られたブログサービスが豊富に存在する。さまざまな事業者が参入し競合する中、日本のブログサービスは機能、デザイン共に世界トップクラスの品質を保っているのではないだろうか?特に一般の日本人にとっては、わざわざ動作が重い外国のブログサービスを利用する理由が見つからないはずである。サービスも良ければ自然とそれを利用しようとする人も増えるはずだ。
③充実したブログ投稿環境
2006年の日本のブロードバンド人口は3,756万8,000人で、世帯ごとのブロードバンド利用率は7割を越えている。また学校や会社などに行けば容易に高速回線を利用できる環境が整っている。またモバイルからのブログ投稿環境も3Gの普及でも着実に増えており、文字通り場所を選ばず気軽にブログを投稿できる環境が、ブログ投稿の敷居を下げているのは間違いない。

ブログに限らず英語圏の新サービスにも日本語は多い

まだ日本語化されていない海外のサービスを見ても、日本語でのやりとりが非常に多い印象を受ける。例えば今日本のブロガーの間で話題となっている「Twitter」は、常にトップページに日本語の投稿がひとつくらいは表示されている。また、Cometと呼ばれる技術を実装して注目される「Lingr」と呼ばれる米国のチャットサービスは、トップページのタグには「amazon」「games」といった英語圏のタグに混ざって「日本語」とか「はてな」などの日本語表記が目立つ。
このように日本のブログサービスに限らず、海外のサービスに関しても、日本語のやりとりは活発に交わされており、少なくとも中国やインドのブロードバンド環境が日本並みになるまでは、インターネットの世界における日本語圏は拡大し続けるだろう。

追記 中国ではもしかしたらブログが流行らないかも

ブログが言論の自由の基に活性化するという事実を考えれば、ネットの言論を当局が規制している中国ではもしかしたら日本ほどはブログが流行らないかもしれない。掲示板やチャットの匿名性が高いやりとりならともかく、固定した一個人が発信し続けるブログは介入の対象になりやすいかと。あくまで想像ですけど・・・。少なくとも政見放送で堂々と政府転覆を宣言してる某都知事選立候補者が普通に許される日本よりはリスクがありそうです。