YouTubeユーザーの意外な真実〜Web2.0のキーマンは中年男性?

YouTubeの動画投稿者の35.65%は35〜44歳

さまざまな問題を孕みつつも衰え知らずに成長を続けていくYouTube。その実態にについて意外な記事が飛び込んできた。

【Web 2.0 Expo】「担っているのは“中年男性”」,Hitwiseの統計に見るWeb 2.0の実態
インターネット調査会社の米HitwiseのGeneral ManagerであるBill Tancer氏(写真1)が,4月17日(米国時間)に行われた「Web 2.0 Expo」の基調講演でこのような興味深い統計データを明らかにした。
(中略)
YouTubeにおける傾向も示された(写真7)。YouTubeへの訪問者に占める割合では,18〜24歳の比率が30.55%と高い。しかしビデオをアップロードした人に占める割合でみると,18〜24歳の占める比率は1.34%と急激に落ちる。YouTubeに最もビデオをアップロードしている世代は35〜44歳で,その割合は35.65%だった。(IT Pro


私としてはYouTubeのユーザー層はなんとなく10代後半から20代後半くらいの比較的暇がある年代が多いのかなと思っていたので、自然と盛り上げているユーザー層、つまり頻繁に動画をアップロードしている投稿者層も同じ年代かと予想していましたが、それは大間違いでした。確かにこの年代のユーザーは多いのですが、いわゆる「ROM専」であり、実際に動画を投稿して盛り上げているのは35歳から44歳が多いとは驚きです。この年代は働き盛りだと思うのですが、いつアップロードする暇があるんでしょうね?やはり週末とかでしょうか?投稿する時間帯の分布も知りたいところです。
また、投稿者の男女比については以下のようになっています。

男女比に関しても,同様に興味深いデータが示された。WikipediaYouTubeも,訪問者数に占める男女比はほぼイコールだ。しかし「参加者」に占める比率は,男性に大きく偏る。Wikipediaの場合で「編集」の60%,YouTubeの場合で「ビデオのアップロード」の75%を男性が占めた。これらのデータを総合すると,Web 2.0サイトのUGCを担っているのは比較的年齢の高い男性,つまり“中年男性”である事実が浮かび上がる。

これはまぁだいたい予想通りです。ちなみにmixiやモバゲーなどのSNSでは男女の投稿比にほとんど差はありませんが、動画投稿は日記と違い少々ハードルは高いのも原因でしょう。それにSNSは日記投稿しないとコメントもないのでおもしろさ半減ですが、YouTubeはROM専でも十分楽しめますからね。

追記 CGMの代表的サイトのユーザー参加率は驚くほど低かった

Web2.0の申し子的な存在である三つのサイトの参加者(投稿者)の比率は驚くほど低いということがWeb2.0Expoで判明しました。Wikipediaで4.59%、Flickrで0.2%、なんとYouTubeに至っては0.16%です。

これからのCGMに求められるもの

CGMと呼ばれるウェブサイトにおいてはユーザーがデータをアップロードしてくれないと話になりません。もちろん閲覧者(ROM)が集まってきてくれることもPVを伸ばす意味で重要ですが、その原動力となるのが投稿者、参加者(participant)の存在です。投稿に際しての技術的ハードルが高かったり、またウェキペディアのように投稿する内容そのもののハードルが高いとなると、CGMの参加者層はだんだんと狭められていきます。
現状のCGMメディアの場合、技術と内容、両方を満たすスキルを有しているのがちょうど35歳〜44歳くらいの年代なんでしょうね。それ以下の年代だと投稿する技術はあっても内容に不安を覚えて尻込みしたり、逆にそれ以上の年代だと、投稿内容に自信はあってもアップロード方法がわからなかったりすることが多いと思われます。
CGMメディア事業者はそのどちらも並行して解決する努力が求められますが、サイト全体の情報信頼性などを考えると、まずはアップロードに際しての技術的ハードルを下げて、中年以上の層のアップロードを促す対策をするほうが先決かと思います。
以前どこかで聞いた話ですが、ある人生相談系のネットサイトにおいて、返答者の最も高い評価を得ていたのはかなり年輩のおばあちゃんだったということでした。年輩の方々の頭の中にはこれまでの経験や知識が詰まっています。こういった層が簡単にネット上に投稿できる環境を整えていくことは、これから優良なCGMメディア構築の鍵となってくるかもしれませんね。(特に日本においては)