インターネットのキャパがもう限界-米IIA警告

動画の流通やP2Pの普及で情報量が一気に増大

「インターネットの帯域がもう限界に近づいている。」
ブロードバンドの普及を促進する団体Internet Innovation Alliance(IIA)は米国時間4月18日、インターネットのキャパシティが限界に近づいているとして、その対応を呼びかけた。→発表資料

IDCの調査によると、2007年に世界中で作成されたネットの情報量は、初めて利用可能なストレージ容量を超えたという。その主な原因はYouTubeをはじめとする動画情報の普及だ。電子メールや情報検索、テキストベースのHPの閲覧と言った行為に比べて、情報量が多い動画のアップや視聴には10倍、100倍といった多くの帯域を消費する。現在YouTube.comで消費される帯域幅は,2000年にインターネットで消費された総帯域幅に相当するというから驚きである。YouTubeがサーバーの維持に莫大な経費を投入しているのもうなづける話だ。また、P2Pの普及によって相当数の動画やMP3ファイルが流通していることもこの流れに拍車をかけているだろう。何せP2Pのヘビーユーザーは自分が使用可能な帯域幅いっぱいで24時間データをダウンロードし続けているのだから。

988エクサバイト(exabyte)って何さ?

またIDCでは、2006年から2010年の間に情報量が6倍以上に増加し、988エクサバイトに達するとの試算を出している。1エクサバイト=10億7374万1824Gバイト。エクサバイトなる単位は私も始めて耳にした。気の遠くなるような天文学的な情報量である。
数字を聞いただけではまったくイメージがつかめないので、なんとか例えられないかと思い少し調べていたら、japan.internet.com面白い記述を見つけたので引用する。

IDC によると、2006年に生み出されたデジタル情報量は161エクサバイトだったという。161エクサバイトと言えば、これまでに執筆された書籍の情報量の約300万倍で、さらにこれらの書籍を積み上げると、地球から太陽までの距離およそ1億5000万キロを超える高さの束が12束分となる。

・・・ということは2011年はその6倍の情報量だから、本を積み上げると、
150,000,000×6×12=10,800,000,000キロメートル!?太陽から冥王星までの距離が約59億キロメートルと言われているので、108億キロメートルというと太陽系がまるごとすっぽり入ってもまだかなり余裕がある・・・。うーん、かえってイメージがつかなくなってしまったような。

解決の道はあるのか?

とにかくものすごい量の情報量がこれからも衰え知らずで伸びていくわけだが、これを防ぐ術はあるのだろうか?
IIAは、コンテンツ、インフラのアップグレード、インターネット技術とアプリケーションなどへの投資を促進や、サービス・プロバイダ間の競争を激化させ、インターネット税などを含む政府による規制を制限する必要性などを挙げている。
つまり、インターネットプロバイダと回線事業者は、インフラの整備をがんばり、ウェブサイト運営側は、かつて2ちゃんねるUNIX板の住人が2ちゃんねるの転送量を大幅に圧縮させることに成功させるように、帯域になるべく負担がかからないようなシステム設計に尽力してくれということか。